セルフヒールド
これまで沢山の天然石との
出会いに恵まれ、
数え切れないほどの石が、
家のそこかしこへと収まっているにも
かかわらず、
大きな水晶のクラスターを持っていなかった私は、ある時様々な場所へと赴いては、
丁度良いサイズの水晶クラスターを
探して廻った。
水晶のクラスター、と一言で言っても、
自分に合った最良の一石と巡り合うのは
難しい。
なんせ水晶は世界各地で産出される
最もポピュラーな、それでいて、
癖がない石だ。
それは、その土地の特徴をそのまま表すかの
ようにして、産地ごとに異なる個性と
表情を見せてくれるからだ。
この世で一番純粋で、且つ、
全てものを溶かしてしまうくらいに貪欲な
”水”の様相そのままに。
大きさ、重さ、産地、姿かたち、そして、
それにどれだけ強く惹かれるか。
その、一番最後の言葉が一番重要で、
こればかりはどれだけの数の石を
見てきても、巡り合わせとしか
言いようがない瞬間がある。
結局のところ、その奇跡の瞬間と共に、
水晶クラスターと出会う事は
なかったわけだけれども。
その代わりに強く目が合ってしまったのが、写真の水晶だ。
ブラジル東南部ミナスジェライス州の中央にある、
トマスゴンサガという土地から産出されたこの石は、
大きな水晶ポイントが根元からクロスした形で形成されていて、
敵に囲まれ背中合わせにして応戦する戦士のように勇ましいと感じる。
この水晶の説明に、”セルフヒールド”という言葉が載ってあった。
”自ら”を”修復する”という意味で、何故この名前がついているかというと、
水晶が地中にいる間、地殻変動など何らかの理由があり、
破損してしまった部分から、新たな水晶群が再生している事から、
名付けられたそう。
セルフヒールドとなっている石は
存外珍しく、話題になっていたことと、
この目で見たことがまだなかったのもあり、
クラスターは一旦棚上げすることにして、
この子をお迎えすることにしたのだ。
届いた石を浄化して、
早速石読みをしてみると、
口調はゆったりとしていて、
円熟味のある女性のように優しく、
穏やかに感じるが、
両方のポイントの先はピリッとした
エネルギーを感じて身が引き締まる。
『あなたにとっては自由こそが愛で、
不自由は執着だと感じているのね』
開口一番の言葉が、こうだった。
あまり、意識したことのない領域の話だ。
ただ、仄かに心当たりはあった。
例えば、家族や大切にしている
対象について、
空気のような存在というか、
淡々としてそっけないな、
と自分でも感じる時があった。
それがどう、というわけでは
ないのだけれども、人によっては、
それが何を考えているか分からないように
捉えられることも、かつて、あったのだ。
『大切だと感じれば感じるほど
そっけなくする。それは貴方が、
相手の自由を尊重したいからなのでしょう。相手を自由にしてあげたいという、
貴方なりの愛なのね』
・・・そうか。私の愛は、
とてもわかりづらくさりげなさ過ぎる
ものなのだな。
当の本人が当たり前だと思っていて、
そのまま忘れてしまうくらいに。
『忘れてもいいのよ。愛が貴方にとって
当たり前だという事が分かれば、
それでいいの。
でも、内側の貴方も、天の貴方も、
同じように愛しているっていうことは、
覚えておくといいわ』
石読みをしていると、
いつも不思議な気分になる。
出会って間もないはずなのに、
自分でもどこかにしまい込んで
忘れてしまっていた感覚を、
掬いだして寄り添ってくれて、
こうして癒してもいいものだよと
言ってくれる。
セルフヒールドは、感じたところ、
精神的な成長を阻害しているもの
(ブロック)に気づいたり、
自分でも気づいていなかった問題点を
浮かび上がらせ、そこからある種の
気づきをもたらし、霊的成長を促すのに
良いかもしれない。
ただ、その効果は大きく、
石自体もパワフルなので、
ちょっとした覚悟はしてほしいかなと思う。
~あとがき的なもの~
ちょっと物語風に石の紹介をしてみました。
Ameba Owndでは、購入した石との会話を
こうやって書いていきたいと思っています。
今回は私物でしたが、そのうち販売したいと思っている石の紹介もしていきますので、
宜しくお願い致します。
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